BobY2  

Platform of My Learning

Book Memories vol.12: ポストBrexit・コロナ時代の新・EU論 -大学生のための2020年度テキスト

Theme: 政治

Time: 約10分

Difficulty:

 

 

f:id:BobY2official:20201018161938j:image

 

 

  日々、テレビや新聞、SNSにおいて、EUに関わるニュースが報道されている。近年注目されたニュースとしては、Brexit移民問題、そして何と言ってもCOVIDに対するEU各国の対応などが挙げられるだろう。僕たちの生活に直接大きな影響や変化を与えるものでなく肌で感じることはできないが、ニュースとしては身近に入ってくるものだと思う。

 

 ただ、そもそもEUのことをよく理解できておらず、実際にはどのようなことが起きているのかは腑に落ちないのではないだろうか。EUでは具体的にはどのようなメリットがあるのか、どのような政策を行っているのか、どのような問題点があるのか、といったことはなかなか知る機会がない。僕自身も大学で政治を学んでいるが、根本的なところをよく理解できていないと感じていた。実際COVIDの話題でニュースは持ち切りであり、一時期話題となったBrexitは忘れられがちであるが、EU離脱が正式に決定し、交渉が継続中である。Brexitは今後EUに大きな影響を与える出来事であり、このような注目に値する物事を理解しきれていないのではないかと感じている。

 

 グローバル化が進む中で世界情勢の知識を蓄えておくことは重要であり、現に2019年には日本とEUの間で日・EU経済連携協定が結ばれていることからも、EUの概要を知り、今後のニュースに注目していく必要がある。

 

 

 今回そのようなことを学んだのは、

 

 ポストBrexit・コロナ時代の新・EU論 -大学生のための2020年度テキスト

 

 日下淳著 

 

という本。

 

f:id:BobY2official:20201018104234p:plain

 

 link below ↓

 

 

 自分なりに大事だと思ったところをまとめたので、興味のある方は読んでいただければ、と思う。

 

  特に本を読んだ上で自分なりの解釈だったり派生させたことを書いたりしているわけではないが、一種の教科書的な感じで大事な点をさくっとまとめ、自分の知識の幅を広げていくためのアウトプットのツールとして使うことにしている。また記事の最初にVocabs欄を設け、キーワードや専門用語などを載せているので知識を効率的に広げていただきたい。読者の方々にはもし知らないことがあれば身につけていただきたいし、ただ要約しているだけなので、よくわからない点があれば自ら購入して読んでいただくなりと、自由に使っていただければと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

  [Vocabs]

 

シェンゲン協定:人の移動に関して重要。

1985年に最初に結ばれたこの協定は、EU加盟国を中心に26カ国が参加し、域内をパスポートなしで移動できる。ただし、2020年の新型コロナウイルスの流行で欧州では国境検査が一部復活。今後の行方は不透明。

 

立憲君主制:国王(女王)を擁する。

英国やオランダなど。


共和制:大統領が国家元首

フランスやドイツなど。


腐敗認識指数:国際的NGOのトランスパレンシー・インターナショナルが発表する。政治や経済活動における透明性を映す指標としてよく利用される。


ベネルクス関税同盟:ベルギーとオランダ、ルクセンブルクの3国は1948年に結成し、EUに先駆け経済統合を進める。


北欧閣僚協議会デンマークフィンランドスウェーデンノルウェーアイスランドの5カ国が設置し、経済や文化で協力を進める。

 

日・EU経済連携協定EPA):日本とEUで結ばれ、2019年発効。

 

一般データ保護規則 (GDPR):2018年に施行。

GAFAなど大手IT や一般企業に対し、個人情報保護の強化を求める内容。

各社は利用ルール変更や顧客対応充実などの対処を急いだ。その後、米カリフォルニア州などがEUルールに準拠した規則を導入するなど、影響力は大きい。


ユーロペシミズム:1973年の第1次石油危機などを契機に欧州経済は低迷に陥り、米国や日本に比べた経済競争力の弱さが露呈した。統合も停滞した。欧州の前途を悲観する見方。

 

経済統合:分断をなくし、あたかも同一国内のように経済を一体化させていく動き。

 

単一市場(Single market):1993年初めに完成。

域内においてモノ、サービス、資金、人の4要素の移動が原則自由。


ローマ宣言EUは英国民投票の後、人々の信頼を得ようと数々の対応を打ち出している。英以外の27カ国首脳が2017年3月に採択し、より柔軟性の高い「マルチスピード統合」などを打ち出した。ただ、内容は具体性に欠けるとの批判もあり、人々の心にどこまで響くかは不明。

 

欧州難民危機:欧州は2015年、難民危機を経験した。内戦で国を追われたシリア難民がトルコ経由でギリシャ流入。総計100万人を超える難民が、西方のドイツなどを目指して列車や徒歩で移動した。 路上や駅には寝泊まりする難民が溢れ、欧州社会を揺るがした。

 
ポピュリズム:財政的な裏付けのない支出の拡大など、大衆受けする政策で有権者を引き付ける。

 

銀行同盟EUが2012年の首脳会議で、金融システム安定のため創設を打ち出した。柱は単一の破綻処理制度、銀行監督制度、預金保険機構の整備。3本柱のうち、破綻処理と銀行監督は実現された。

 

グリーン・ニューディール:2019年に就任したフォンデアライエン欧州委員長が、6本柱の優先課題を打ち出した。2050年までに温暖化ガスの排出をゼロにすることや、プラスチックごみ規制などを打ち出した。環境問題で世界をリードし、環境を軸に新たな経済発展を目指す戦略。

 

 

 

 

 

 

  本文

 

[序章 変わる世界と欧州――欧州・EUから何を学ぶ]
[1. 欧州の概況]
[2. EUの理解]
[3. 欧州と世界が直面する課題]

 

 


序章 変わる世界と欧州―欧州・EUから何を学ぶ


・欧州は歴史的に政治・社会の様々な実験を繰り返し、民主主義法の支配など現代社会の基本ルールを生み出してきた。第2次世界大戦後にはEUを創設し、国境を超えた課題への新たな取り組みを試みている。

 


1. 欧州の概況

 

1-2 欧州の歴史

・(1)欧州は民族・国家の興亡、統合と分裂を繰り返してきた。
 

・(2)ギリシャ・ローマ文明とキリスト教の影響。
欧州は多様性を一つの特徴とする一方で、共通性も持ち合わせる。

その土台となるのが、ギリシャ・ローマ文明とキリスト教である。


・(3)近代化で世界をリード、民主主義を発展。


・(4)植民地支配など負の側面。
欧州列強を中心にした19-20世紀の植民地支配の傷跡は、今も世界各地に残る。

現在の中東の混乱は、植民地支配時代に強引に引いた国境線が一因。

アフリカの紛争や混迷も植民地支配に起因する事例が少なくない。


・(5)20世紀に2度の大戦。


・(6)第2次大戦後にEUを発展。

 


1-3 多様性と共通性

「お国柄」と「欧州人」


・お国柄意識がある一方で、欧州の住民が「自分は欧州人」という意識を強めているのも事実。

欧州委員会の2018年11月の世論調査では、EU住民の71%が自分を「欧州人」と考えていた。相反する意識が共存する。


 政治体制、社会の仕組み、生活


・(1)国の形

 


・(2)政治の仕組み

フランスなどは大統領が強大な権限を持つのに対し、ドイツやイタリアの大統領は儀礼的な役割にとどまり、首相が実質の最高権力を持つ。

国会は2院制と1院制の国があり、選挙制度小選挙区制、比例代表制など様々。

三権分立が機能している国もあれば、うまく働かず政治腐敗が深刻な国もある。

民主主義にも色々な形があり、政治の形態がある。

欧州には様々な民主主義国家が存在し、多くの事例を提供している。


・(3)国家の役割と社会保障
英国は、1980年代以降「小さな政府」を志向し、社会保障の役割が縮小した。

GDPに対する政府支出の比率は、北欧やフランスなどの数字が高いのに対し、英国やオランダは低い。


・(4)宗教
フランスやスペイン、フランスなど南欧ラテン語系の地域にカトリックが広く普及。
北欧などではプロテスタントの信者が多い。
ロシアや東欧、ギリシャなどは正教会の影響が強い。


・(5)家族、ライフスタイル

 


1-4 欧州各国の概況

3大国


・ロシアなどを除く欧州を見渡した時、英国とフランス、ドイツの3カ国が存在感や影響力で突出している。


ギリシャ、イタリアなどの南欧諸国の失業率は高く、特に若年層は職を得にくい状況が続く。背後には硬直的な労働市場など経済構造の問題がある。

若年者失業の高止まりは社会の不安定化にもつながりかねず、深刻な問題。


・東欧ではポーランドハンガリーが政府の雇用創出策や海外への労働力流出もあり低失業率を保ってきた。

一方、クロアチアなどは失業率が高い。

 

 

2. EUの理解


EUは欧州理解のカギ


EU加盟27カ国で、パスポートの発行や社会保障システムの運営、税の徴収、警察の運営などを担っているのは各国。

一方で、通商や競争政策、通貨の政策(ユーロ加盟国の場合)などはEUが担当している。

 


2-1 EUとは何か、何をしている

EUとは何か


・① 世界に例を見ない独特な存在で、国とも国連などの国際機関とも違う。
 ② 加盟国は主権の一部をEUに譲る。
 ③ 民主主義の原則の上に成り立つ。


EUは何をしている?


・▼単一市場: EU域内では、人、モノ、サービスの移動が自由である。

日本の都道府県間を、モノや人が自由に動くのと同じイメージ。各国間の関税がない。加えて、製品の安全基準など基準・認証が統合されているために、自由移動が可能になる。


・▼単一通貨ユーロ: ユーロ圏に加盟する19カ国で発行している。

金融政策は欧州中央銀行(本部独フランクフルト)が決定する。


・▼通商政策:通商政策の決定は加盟各国ではなく、主にEUで行われている。


・▼競争政策: 欧州委員会EUの執行機関)は、2018年米Googleに対し43億ユーロの制裁金を命じた。スマホのOSアンドロイドに関し、抱合わせ販売を行ったとの理由。EUは競争政策で強大な権限を行使している。


・▼個人情報保護、環境政策など: EUは2018年、個人データ保護などを目的にした新ルールを施行した。

地球温暖化ガスの排出に関する規則も定めている。

デジタルや環境など新分野のルール作りを進めている。


・▼大学生の交換プログラム: EUは加盟国の若者が自国以外の大学で学び、単位を取得できる仕組みを導入している。

1980年代に発足させたエラスムス計画などが代表。計画利用者は累計300万人を超え、教育での連携強化や人々の相互理解に貢献している。


・▼首脳・閣僚会議:首脳や閣僚会議を頻繁に開催する。

EUの政策決定の枠組みとして定着している。


EUの3つのP


・(1) Peace(平和の維持)


・(2) Power(力、国際的な影響力)
EUの政治や外交の統合は、経済統合ほど制度化されていない。

しかし各国は自国の政策を進める一方で、必要に応じてEU共通外交を前面に打ち出すなど使い分ける。


・(3) Prosperity(経済的な豊かさ)

 


2-2 EUと加盟国の関係

通貨・通商などはEU


・加盟国がEUに権限を委ねた事項


(1)通貨


(2)通称


(3)基準・認証


(4)競争政策


(5)共通外交策

 


2-3 EUの仕組みと機能


 EUの主な機関


EUの主要機関にはEU首脳会議(欧州理事会)、EU閣僚理事会欧州議会欧州委員会などがある。


・民主国家は立法、行政、司法の三権分立の仕組みを取っている。

EUの仕組みもそれに似るが、異なる点もある。

 

・違いの1つは、EUには最高意思決定機関であるEU首脳会議がある点。

基本条約の改定やユーロ導入の決定、加盟国の拡大など、EUの最も重要な政策はこの場で決定されてきた。


・立法機関として、閣僚理事会と欧州議会の2つがあることも普通の国家と違う特色。


EUの政府:欧州委員会

 

EU機関の中で首脳会議と並んで最も話題になるのが欧州委員会である。

EUの行政機関(政府)で、政策の立案や遂行を行う。

法案提出権をもち、立法権の一部も担っている。


 政策決定と実施のプロセス


・政策は欧州委員会が調査のうえ法案を作成し、これを欧州議会や閣僚理事会で審議して決定するものが多い。


・ただ、政策により経緯も様々。

例えば2015年に欧州難民危機が発生した時など、重要な政策方針についてはEU首脳会議が政治的に決定し、その上で詳しい政策の策定や立法化を各機関に委ねた。

非常時などの対応は柔軟。


・決定した政策の実施は、一部は欧州委員会EU関連の組織が遂行する。

政策によっては、加盟各国の政府や機関に実施を委ねるものもある。


2-4 EU法


EU基本法


リスボン条約は過去の基本条約を修正する内容で、

EUの基本理念や役割などを定めた「EU欧州連合)条約」と、

EUの運営に必要な具体的な内容を定めた「EU運営条約」で構成されている。


 EU法の優位と直接効果


EU法には、各国法はもちろん、伝統的な国際法とも違う特徴がある。

 

押さえておきたいポイントの一つは、EU法が加盟国法に対し優位に立つ点。

加盟国の法律がEU法と矛盾する場合、EU法の定めが優先する。

 

もう一つは、EU内の企業や個人が国を飛び越えて直接EUに判断を求められる点。
この特徴は、直接効果と呼ばれる。


・国連の国際司法裁判所の場合、提訴できるのは国だけで個人や法人は訴訟資格を持たない。EU法と大きく異なる点。

 


2-6 経済統合と単一市場、ユーロ


バラッサの統合理論


・1のFTA(自由貿易協定・地域)


・2の関税同盟


・3の共同市場


・4の経済同盟


・5の完全な経済統合


 ユーロの誕生

 

マーストリヒト条約はユーロ参加国を、財政赤字の小さい国に限るなど、経済ルールを重視した統合計画を描いていた。しかし実際には、政治的な配慮から経済条件が整わない国も参加した。


非連続的な変化


・世界の経済や貿易、通貨システムそのものが、従来の延長線上ではない「非連続的な変化」を経験するかも知れない。EUが直面する課題は、世界各国が向き合う課題でもある。



3. 欧州と世界が直面する課題


「何ができるか」にも注目


EUの動きには、全地球的な課題にいち早く取り組み、ルール作りで主導権を握ろうとの思惑も透けて見える。課題対応としたたかさを兼ね備えた戦略。

 


3-1 Brexit ――英国のEU離脱が突き付けた問題


 英社会の分断


・離脱に賛成した人は、高齢者や国際経験の少ない人、比較的貧しい人が多い。

一方残留賛成派は、若者や国際経験の多い人、比較的豊かな人が多かった。


・地域的には離脱派が多かったのはロンドンなど大都市以外のイングランド各地とウィールズ。

残留派が多かったのは、ロンドンやスコットランド北アイルランドなどだった。

地域による分断も鮮明になった。

 

 人々の不満が反EU


・離脱派勝利の理由

 

EU加盟は既得権者の利益になっているとみなされ、格差拡大などで不満を持つ人々がEU離脱に票を投じた。

② 東欧などからの移民が増え、工場や農場で地元の人々の職を奪っているとの不満がイングランドなどで高まった。反移民感情がEU離脱に向かった。

③ 英国の政策をEUに縛られることなく自分で決めたいというナショナリズムが強まった。

④ 離脱派のキャンペーンが偽情報の流布も含め巧みだった

――などである。


・留意すべき点は、たとえ英国とEUの間でFTAが締結されても、EU各国と英国の間で通関チェックが復活することだ。

FTAを結べば関税ゼロは維持されるが、原産地証明など様々な通関書類が必要になる。ここは、EU単一市場内の取引と決定的に異なる点。


連合王国」の行方


・英国では離脱決定により、スコットランド独立運動が再燃した。

スコットランドはもともと民族意識が強く、独立運動がくすぶる。これまでは英国全体がEUの枠組みの中にあったことで、独立の動きが緩和されていた。しかしBrexitで局面は変わった。


北アイルランドの行方も気がかり。

カトリック系の住民は元々、南のアイルランド共和国との一体化を望む。イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの「連合王国」である英国の姿が変わっていくのかも知れない。

 


3-3 揺れる政治――反移民・極右・ポピュリズムなどの台頭


人々の不満に訴え


・多くの政党に共通するのは、人々の不満に訴え、自国優先を強調する点。

反移民が反イスラムに結びつく場合もある。経済的に比較的恵まれない層を支持基盤とする点も一致し、反グローバル化や反EUの主張を状況に応じて取り組む。
ただ、主張に具体性や一貫性を欠くケースも多い。

EUの主張も、英国が離脱決定後の交渉で迷走し、「離脱は高く付く」という認識が広がると過激性を弱めた。

各国の極右や反移民政党は、対ロシア関係など意見対立する分野もあり、横の連携は必ずしも取れていない。


 様々な潮流


・(1)中道右派中道左派の後退
格差拡大などで有権者の不満が強まっている。その支持が移民排斥を訴える極右や、社会保障強化を唱える左派など両極に流れている、との見方が多い。


・(2)ポピュリズム政党の伸長

 

・(3)環境政党が存在感


・(4)政治・政治家の多様性

 

 

3-4 ユーロ危機と欧州経済


リーマン・ショック


・巨大金融機関を国民の税金で救済する結果になり、資本主義のあり方や経済システムの問題点が問われた。


 ユーロ危機の発生と経緯


・危機を未然に防げず、長期化・深刻化した背景には、ユーロ運営体制に不備があったとの批判も強まった。


・1)金融機関の監督が不十分で、不良債権の実態を的確に把握していなかった


・2)危機の際に緊急支援を行う仕組みが整っていなかった

 

・3)緊急支援の際に必要な資金の手当てができなかった


 ユーロ運営体制の強化


・危機で表面化した運営上の問題を改善するため、EUおよびユーロ圏諸国は数々の対応策を打ち出した。


・(1)金融安定網(セーフティネット)の強化


・(2)金融機関の監督強化


・(3)金融機関の破綻処理メカニズムの導入


 構造的な問題


・より根本的な問題


1つは、加盟国の経済改革の遅れ。

例えばギリシャの場合、社会保障などの改革がなかなか進まず、高失業体質が変わらない。


もうひとつは、ユーロ圏において「金融政策は統合したが、財政政策はバラバラ」という点。
ユーロ圏では金融政策を欧州中銀が決める一方、財政政策は各国が決定する。政策の迅速かつ適切な組み合わせは容易でない。

対応策として議論されるのが、財政面の統合をさらに進める考え方。

しかし財政は各国の経済政策の根幹をなす部分で、容易に手放せるものではない。議論の行方は、現時点では不透明。

 



3-5 環境とデジタル ― 新時代の課題への取り組み


デジタル課税

 

・新時代のルール作りでは、デジタル課税も重要なテーマ。

従来のモノならば、消費税は商品が売買された国で課税すればよかった。しかし、ネット販売の場合は、商品を販売する会社がある国と、消費者が実際に購入する国が異なる場合が多い。適切な課税のためには新しい仕組みが必要になる。


ルール作りで主導権

 

・環境、デジタル、食品―-様々な分野の「ルール作り」で主導権を握ることは、EUの世界戦略の柱。今後も同様の動きが続く可能性が大きい。

 

 

3-6 テロ・安保・外交 


テロと向き合う時代


イスラム原理主義者によるものが多いが、極右や民族主義者による事件もある点に留意が必要。


・テロの脅威と共存しながら暮らすのが、欧州に限らず世界の現状である。


 中東の混乱


・従来の中東政策は米国との協調を軸に据えてきたが、イラン核問題など米欧の姿勢の違いが目立つことも増えている。中東情勢は、安定の道筋が見えない状況が続く。


 欧州安保とNATO


・加盟国の1つが域外から攻撃を受けた場合、NATO全体に対する攻撃とみなして対応する「集団安全保障機構」である点や、米国主導の組織である点などがポイント。


・欧州には冷戦時代から、安保を過度に米国に頼るのでなく、欧州独自の安保・防衛機能を強めるべきだという考え方がある。EUとしての共通安保や防衛政策の仕組みもあり、今後様々な展開が予想される。

 

 


3-7 コロナ・ショック(暫定的な整理)


各国の対応と影響

 

・主な対応


1)国境管理強化(封鎖)


2)国内における外出制限や大規模集会の禁止

 

(3)飲食店や店舗、学校の閉鎖

 

 

 

以上。これらの知識を活かして、今後のEU情勢に注目してニュースを追いかけてみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

link below ↓