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Article Memories vol.2: 香港民主派、一斉逮捕で窮地 当局「外国勢力と結託も」

Theme: 政治

Time: 約5分

Difficulty: 

 

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創業者が逮捕された蘋果日報を買い求める人が相次いだ(11日、香港)=ロイター

 

 

 香港警察が国安法違反として、蘋果日報の創業者の黎智英氏と2人の息子、同紙を発行する壱伝媒幹部4人、周庭氏ら活動家3人の計10人を逮捕した。国安法の施行後も外国に制裁を働きかけ、外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いがもたれている。また、壱伝媒の幹部が周氏らを財政的に支援していた可能性があると報じられている。

 

 「香港基本法」と「一国二制度」により香港では、集会の自由や表現の自由、独立した司法、一部の民主的権利などが保護されていた。しかし香港の英国からの中国返還後、「本土派」の台頭により、「雨傘運動」を始めとした急速な「中国化」への反発の動きが強まった。そこで、中国共産党政権が国家権力に対する反政府的な運動を取り締まり、対応できるような法的枠組みを確立するため、2020年6月に国安法が制定されていた。

 

 今回の一件からは、中国共産党政権は国安法を使って民主派と外国勢力との関係を断ち切る狙いがあるとみられる。活動家に対する尾行や監視は日常的に行われており、香港警察が取り締まりの手を緩めるとは考えにくく、表現や報道の自由抑圧に国安法が使われている懸念が徐々に強まっている。一連の騒動の影響から、大手金融機関が拠点を置き、アジアでも有数の金融センターと言われている香港から金融機関が他国へ拠点を移す動きが出るという見方もあり、日本政府が海外の金融機関や人材の受け入れに向けた環境整備を検討していることからも、経済面においても香港の先行きに懸念が出ていると言える。

 

 諸外国は「香港の人々の既存の権利と自由は完全に守られなければならない」としてあくまで「一国二制度」の原則を守るよう求めており、今後は香港の人々の表現の自由を侵害せず、国安法をどの程度まで適用していくのかがカギとなる。