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Article Memories vol.11: 野村とクレディ、巨額損失懸念 欧米金融に拡大も 

Theme: 金融

Time: 約5分

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 米投資会社に絡むとみられる損失への懸念が世界の金融機関に広がっている。

野村ホールディングスは米顧客との取引に関連して約20億ドル(約2200億円)の損失が生じる可能性があると発表した。スイスの金融大手クレディ・スイス・グループも巨額の損失計上の可能性を発表した。

 

 投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントが、保有株の下落で打撃を受けて資産を投げ売りした。野村HDやクレディの損失はアルケゴスに関連しているとみられる。

アルケゴスは著名なヘッジファンドのタイガー・マネジメント出身のビル・ホワン氏らの資産管理会社。アルケゴスは保有するメディア銘柄が下落したことで打撃を受けた。担保の追加差し入れ(追い証)を求められたが、対応できずに保有する米中のメディア銘柄などの投げ売りにつながったようだ。

 

 アルケゴスの売買注文を受けた米ゴールドマン・サックスは、バイアコムCBSなど米メディア銘柄や、百度バイドゥなど中国企業の銘柄など計105億ドル(約1兆1500億円)相当の株式を相対で大量売却する「ブロック取引」をしていた。

野村やクレディはアルケゴスへの融資や株式ポジションの一部引き受けなどをしていたようだ。アルケゴスの行き詰まりにより、融資の回収やポジション解消で損失が発生するとみられる。クレディの損失は30億~40億㌦とみられる。

 

 欧米の大手金融機関もアルケゴスとの取引があるとみられ、今後関連した損失が広がる可能性もある。アルケゴスによる資産売却が一巡したかは明らかでなく、「ヘッジファンドレバレッジを落とす動きが継続する可能性があり、過剰流動性相場のほころびが広がっていくことへの警戒」も高まっている。