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Book Memories vol.1 :  ビジネスエリートになるための 教養としての投資 

Theme:金融

Time:約15分

Difficulty: 易

 

 

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 僕が母国である日本に持つイメージは、いい意味でも、悪い意味でも、保守的で、用心深く、変わったことが嫌い、というもの。実際、僕自身もそうではないとは言い難く、親の言うことを守って、学生生活でも”和”を重んじて生きてきたつもりだ。

 

 ただ、グローバル化の著しい、目まぐるしく動く世の中でも変化を嫌い、過度に保守的で居続けるのは違うと感じる。自ら主体性をもって興味の持てたことを学び成長していく必要がある。そういう意味では、日本人の良さというものを持ちつつ、世界にも目を向け、良いところは素直に取り入れる努力をすることは生きていく上での楽しみとなるのではないか。

 

 保守的な日本人は、「投資」という言葉に対してあまり親しいイメージを持っていない。

ただ、おそらくそれはFXといったいわゆる短期的な利益を目的とするデイトレの方面のイメージだ。FXはそのイメージ通り、短期的な市場の動きが予測できないことから、ギャンブル色が強い。

「投資」というものはそのようなものではなく、少なくともより安全で長期的な利益を意識したもの。日本人が「投資」に対して間違ったイメージを持っていることから、日本人から「労働者の思想」が抜けず、「投資家の思想」を持てずにいるままであることで、まず損をしているし、これからの予測不能な時代を生きていくことに危機感を感じるべきである。

 

 今回そのようなことを学んだのは、

 

ビジネスエリートになるための 教養としての投資 

 

奥野一成氏著 ダイヤモンド社 

 

という本。

 

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link below ↓

 

 

 自分なりに大事だと思ったところをまとめたので、興味のある方は読んでいただければ、と思う。

 

  特に本を読んだ上で自分なりの解釈だったり派生させたことを書いたりしているわけではないが、一種の教科書的な感じで大事な点をさくっと、あえてシンプルにまとめ、自分の知識の幅を広げていくためのアウトプットのツールとして使うことにしている。また記事の最後にVocabs欄を設け、キーワードや経営学用語などを載せているので知識を効率的に広げられるようにしている。もし知らないことがあれば身につけていただきたいし、ただ要約しているだけなので、よくわからない点があれば自ら購入して読んでいただくなりと、自由に使っていただければと思う。

 

 

 

 

 

 

[Vocabs]

 

オルタナティブ投資:日本語では「代替投資」と訳されることが多い。従来の伝統的運用資産(株式、債券)とは異なる投資のことを総称する概念。具体的には、「プライベートエクイティ」や「ヘッジファンド」「不動産」

 

プライベートエクイティ:未公開企業の株式に投資すること。企業価値の判断を行った上で株式を保有し、場合によってはその保有企業に対して経営上のアドバイスを支配株主としてすることで、企業価値を増大させる。

世界的には、KKRCarlyleなどがあり、日本にはAdvantage PartnersUnison Capitalといったファンド運用会社がある。

 

ヘッジファンド:株式や債券だけでなく、先物取引オプション取引など、それこそありとあらゆるものを投資対象にしてリターンを目指していくというファンド。

 

Benjamin Graham:Warren Buffett が師と仰ぐ人物。1929年の世界大恐慌の引き金となった米国株の大暴落を経験したきっかけで、健全な投資に関する研究を始めたと言われる。それが結実したのが『証券分析』、『賢明なる投資家』という2冊の本。

 

外国為替証拠金取引(FX):簡単に言えば外国為替レートの値動きで収益を得るという仕組み。投資ではなく、投機に分類される。

 

コモディティ:金やプラチナなどの貴金属、石油などのエネルギー、アルミやゴムなどの工業品、豚肉や大豆などの食料品といったモノの値動きで収益を得るもの。対象物そのものが利益を生み出すのではなく、あくまでも対象物の値動きから収益を得る。

投機対象。

 

構造的に強靭な企業:高い付加価値、高い参入障壁、長期潮流

 

長期潮流:高い付加価値と高い参入障壁によって獲得された利益を、増幅させるもの。長期潮流があったとしても、付加価値や参入障壁が無かったら、長期的に利益を獲得し続けることはできない。

 

レッドオーシャン:血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場のこと。

 

ネットワークエフェクト:使う人が増えるほど便益が増えて、ネットワークの価値が高まる効果。

 

スクリーニング機能:あらかじめ自分でいくつかの数値基準を設定して入力すると、その条件に合う銘柄が画面上にずらっと並ぶ。

今その会社がどういう状態に置かれているのかを知るために、売上や利益率、それ以外の財務諸表に記載されている数値を読み込む。そのうえで、この会社の株価が今、割高なのか、それとも割安なのかを把握するために、PERやPBRなどの株価指標をチェックする。

 

テクニカル分析過去の株価の値動きをグラフ化したものを見て、過去の値動きから将来の値動きを予測するという分析手法。

 

PER:「株価収益率」Price Earnings Ratio

株価が1株当たり純利益に対して割高な水準まで上昇しているのか、それとも割安な状態にあるのかを見る。

     

PBR:「株価純資産倍率」Price  Book- value Ratio

1株当たり純資産に対して株価が何倍まで買われているのかを示す。

PBRが1倍を割り込んでくる会社は、清算価値に比べて、すべての株式を買い取るのに必要な金額が少なくて済むため、会社を解散させたときに利益が生じる(割安)。

 

マージン・オブ・セーフティ:安全余裕率。

実態価値よりも大幅に安く株式を購入できること。

 

フェアバリュー:適正価格。

将来予想される業績や現在の資産、負債の状況から独自に算出する理論値。

 

エンドースメント:パートナー契約。

例えば、プロテニス選手の大坂なおみ選手がナイキとパートナーシップを結び、ナイキのウェアを着て試合に臨むこと。

 

iDeCo確定拠出年金

中途解約のハードルが非常に高く設定されており、なかなか解約させてもらえないからこそ、強制的に資産形成できる。

自分で引き出すのではなく、自動的に銀行口座から2万円が引き落とされ、そのまま投資に回るような仕組みを作るうえで利用価値が高い。

税制面のメリットもある。

 

賦課方式:日本の公的年金

現役世代が保険料を払い、その保険料でもって高齢者が受け取る年金が賄われる。この方式が続く限り、年金財政が破綻することはあり得ない。

 

アノマリー: Anomaly。

現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性。

「小型株効果」、「低PER効果」、「1月効果」などがある。

 

インデックス型:市場全体を買うというイメージの投資信託

 

アクティブファンド:銘柄の選別が生命線のファンドで、株価インデックスの値動きに関係なく、高いリターンを目指す運用。

 

国際分散投資:世界中の株式に分散投資した方がリスクは低くなるのと同時に、アセアンなどの新興国の成長を取りに行けるという考え方。

 

 

 

 

 

 

本文 

 

[:1.投資家の思想が人生を成功に導く]

[:2.私の投資人生]

[:3.日本人はなぜ投資が苦手なのか]

[:4.「投資」と「投機」は違う]

[:5.売らない株を買えばいい]

[:6.ファンドマネジャー流 株式投資で成功するコツ]

 

 

投資はビジネスの最良の教科書である

 

・「投資」とは、チャートと睨めっこして売り買いを繰り返す、いわゆるギャンブルである「投機」とは異なるものであり、もっと大局的でビジネスの本質に関わるものである。

 

・世界中のビジネスエリートは、自分なりの仮装構築・検証という思考癖を当然のように持っており、幅広い知識を身に着けるのと同時に、それを上手に組み合わせて自分なりの仮説を導くことができれば、投資でもビジネスでも成功する可能性が高まる。

 

  1. 投資家の思想が人生を成功に導く

 

・自分が入社したいと思っている会社の20〜30年間の長期チャートは必ず見る。

 

・その企業の株価の下落が続いている場合は、自分なりにその原因は何なのかを分析して、リクルーターに問題提起してみる。そうしたら、リクルーターは人事の人に「優秀な学生を見つけてきました」と太鼓判を押してくれるはず。

 

・「サークルで部長をやっていました」ということよりも、その学生がビジネスの本質をどう見ているのかを見ている。

 

人生100年時代の選択肢

 

・一番確実にリターンを増やす方法は自己投資であり、英語の勉強、イギリスに留学することが挙げられる。

 

・投資することとは、自分より優秀で、稼いでくれそうな自分以外の仕組みにお金の一部を投じることである。

 

 

「時間」という有限のリソースを有効に配分する

 

・「時間」「能力」「お金」という資産は概ね交換可能であり、今バイトで得られるものは1時間あたり1000円だろうが、その1時間を英検1級を取ることに費やし、クリアすることでバイト料は3倍異常に跳ね上がることなどが挙げられる。

 

・若くて時間がある若いビジネスパーソンがまずやらなければならないこと、やり続けなければならないことは「自分への投資」であり、継続的に自己研磨することで、「自分が働く」場合の単価を上げ、「自分が働く」場合の選択肢、つまり転職や副業の選択肢を広げる。

 

・経済的な余剰分を、余すことなく株式投資に回すことで、自分の働きによるキャッシュフローだけでなく、他人の労働によるキャッシュフローも将来的に得られるようになる。

 

「有能の境界線」を意識しよう

 

・何がわかっていて、何がわからないのかを明確に切り分け、当たり前にやるべきことを当たり前にやる、というスタンスが市場に対峙する時でも重要。

 

  1. 私の投資人生

 

・2つの課題設定として、ひとつは相場を知ること。ビジネスの現場において、理論なんてものはクソみたいなもので、やはり実際の現場の動きを肌で知らなければならない。

もうひとつは、MBAを取得すること。金融マーケットに身を置いて、肌で知った相場の動きをきちんと、金融ファイナンス理論で説明できるような理論武装も必要。

 

・20代のうちはコツコツ老後のための貯蓄をするより、自分が思い描いている将来のビジネスキャリアを実現するための自己投資にこそ、お金を使うべき。

 

相場を学ぶ

 

相場の世界に「絶対儲かる」方法などというものはなく、自分のアドバイス通りに取引したから収益が安定するものではないことを、先輩ディーラーは皆、自分の経験から知っている。ディーリングで勝つためには、自分で徹底的に考え抜いて、自分なりの手法を見つけなければならない。

 

バフェットとの出会い

 

「私は投資した翌日から5年間は市場が閉鎖されると想定して投資判断をする」

―Warren Buffett―

 

  1. 日本人はなぜ投資が苦手なのか

 

どんどん貧しくなる日本

 

・日本の個人金融資産は、現預金が53.3%と半分以上を占めているのに対し、米国の現預金はたったの12.9%、そして投資信託が日本の3.9%に対して米国は12.0%、株式は日本が10.0%であるのに対して米国は34.4%もある。

 

子どもたちに資本家マインドを

 

・米国の株価はずーっと値上がりしているから、ただひたすら持ち続けていれば儲かった。

 

・わざわざ大変な思いで企業研究をして、有望なビジネス、企業を探さなくても、S&P500という株式市場全体の動きを示す株価インデックスを買ってさえおけば、誰でも株式市場から相応のリターンを得られるはず。

 

・投資する先が設備や人材なのか、それとも株式なのかが違うだけで、株式に投資する時には、常に経営者の目線で物事を考えることが必要。

  1. 「投資」と「投機」は違う

 

・「投機家ではなくて投資家になりたい」と考えているのであれば、尻尾の動きは出来るだけ見ないようにする。とにかく会社の「利益」をしっかり見るようにする。一流の投資家は、常に利益に対して強いこだわりを持っている。

 

なぜ日本は投機なのか

 

・「株式市場は、短期的には人気投票の場に過ぎないが、長期的に見れば『価値』の計測器として機能する」

―Benjamin Graham―

 

・米国に比べて利益が増え続ける会社が圧倒的に少ない。

 

・そ の 時 々 の 思 惑 に よ っ て 、 株 価 は 上 下 動 を 繰 り 返 すが、

利 益 が 長 期 的 に 増 え る と い う 期 待 感 が な い と 、 ち ょ っ と 株 価 が 安 く な っ た と こ ろ で 買 い 、ち ょ っ と 高 く な っ た ら 売 っ て 利 益 を 確 定 さ せ る と い う 短 期 売 買 を 繰 り 返 す 傾 向 が 強 ま る。

 

・日本 の 株 式 市 場 は 、 い つ ま で 経 っ て も 長 期 投 資 が根 付 か な い だ け で な く 、 思 惑で 売 り 買 い を 繰 り 返 す 投 機 的 な マ ―ケ ッ ト に な っ て し ま う 。

 

・バブルの崩壊を経て日本企業の成長はストップしてしまった最大の理由は、多くの日本企業が発展途上国のビジネスモデルから脱却できなかったことにある。

 

・ビジネスモデルを 考 え る う え で 一 番 肝 心 な の は 、 いかに 自 分 た ち の ビ ジ ネ ス の 周 り に高 い 参 入障 壁 を 築 く か と いう点 に 尽 きる。

 

・ボラリティの存在が、私たちのような投資家にとっては、とてもありがたい。

 

・「 悲 観 は 友 達 」

―Warren Buffett―

 

・ こ れ か ら 買 う 側 か ら す れ ば 、 合 理 的 に 計 算 さ れた 価 値 に対して、株価が大きく下がれば、その分だけ割安に投資できるわけだから、リスクが大きくなったのではなく、むしろリスクが小さくなったと捉えることもできる。

 

・今回のコロナショックでも動じることはないばかりか、むしろチャンスと捉える。

 

株式は持続的に利益を生み出す投資対象

 

・不動産はその不動産に建物を建てることによって収益を生み出すことはできるが、その収益を持続的に増やすことはできない。そこが不動産投資の限界点と言っても良い。

 

・株式では企業が事業から得る利益は持続的に増えていく可能性がある。

 

・企業に投資することは、あたかも毎年実りをもたらす土地を手に入れたようなもので、売るのはもったいない。

 

株式投資において一番大事なのは会社の利益であり、その利益を守り増やしていくための参入障壁がどれだけ高いのかを常に考える。

 

・投資家になるということは、1を100にする資本主義の仕組みに貢献すること。

 

  1. 売らない株を買えばいい

 

・外食産業はどこもそうで、最初のアイデア一発でバーッと店舗を拡大して売上を伸ばし、中期的な利益を大きく膨らませて上場までもっていく、基本そこで終わりないわゆる「上場ゴール」である。

 

・経営は参入障壁を作るゲームである。

 

・日本企業は参入障壁をどんどん蝕まれているのが現状。

 

・少なくともTOPIXのような、市場全体を買うインデックスファンドへの投資は、日本株に関して言えば全く無意味である。

 

・配当とは利益の一部を投資家に還元する性格のものである以上、本当に重要なことは目先の配当ではなく、長期的に利益を出し続けることができるかどうかである。

 

・もし参入障壁が無くなったと判断したときは、売るタイミング。

 

  1. ファンドマネジャー流 株式投資で成功するコツ

 

・数値は未来を語るものではない。

 

・投資対象を選別するうえで一番大事なのは、仮説を立てること。

利益が増え続ける上で必要な参入障壁が何なのかを探るために、さまざまな数値を用いて現状を確認しつつ、仮説を組み立てていく。

 

ファンドマネジャーが会社訪問で聞くこと

 

・「御社のビジネスには参入障壁があるのか」

「競争力を決める要因は何か」

 

・面談の場は仮説の確認の場であって、面談前に「独自に考える」という最も重要な作業は終わっている。

 

・とにかく真面目に企業の事業性に向き合うのが、私たち日本人に向いているのかもしれない。

 

仮説の立て方

 

・「どこにこの会社の競争優位があるのだろうか」

 

・今後、AIがさまざまな分野に導入されていく中で、一番の参入障壁を持っているのは、一次情報を握っている会社である。

・AIが株式市場のテーマとして注目されると、多くの投資家はAIの開発を行っているGoogleのような開発会社に注目して、その株式を買おうとする。

 

自分のレンズを磨け

 

・考えることの総量は、流れている情報の総量に反比例する。

 

SNSやニュースアプリを通じて流れてくる「インフルエンサー」の言葉を鵜呑みにする人たちがたくさんいるが、なぜかというと、情報の量が多すぎて、自分の頭で考えるという行為を放棄しているから。

 

本当の株価指標の見方

 

・いわゆる投資の教科書的なもので語られているPERやPBRの見方をそのまま用いると、投資に失敗する恐れがある。

 

・今後、世界的に金利が低いまま安定してしまうとするなら、利益が上方に動く可能性の高い企業の株式の方が有利な気がする。将来的に利益を増やし続けることができるかが重要なのであって、それができない企業はどんなにPERが低かろうが、長期投資には向かない。つまり、PERはPERだけを見ていても割高なのか、割安なのかを判断することはできず、国債金利水準やその方向性との比較も重要である。

 

・現状には、すべての資産をB/Sに計上されている金額で売れるケースはほとんどなく、それを比較対象にして、今の価値が割高なのか、それとも割安なのかを判断すること自体がナンセンスといっていい。

 

・PERやPBRは、ほとんど見るべき意味のない数字といっていい。

 

5年以上かけて買う

・「高くなったから買わない」ということではなく、「高くても少しだけ買っておく」

 

・「買って後悔した」ケースよりも、「買わなくて後悔した」ケースの方が多い。

・異常に高いと判断できるとき以外は、とりあえず買っておくというのは、実は正しい投資行動だったりする。

 

・買うタイミングを分散させることが大事。

 

・どんなポジションを取る時、または外す時でもタイミングを強制的に分散して複数回に分けることが後悔しないコツ。

 

・相場が底を付けて上昇局面に入り、天井を打って下落局面に移行して再び底を付けるまでをワンサイクルと考えて、この間に複数回に分けて投資していく。

 

・ルールを決めておくメリットは、どうせ予想の出来ない相場動向に一喜一憂することなく、「買うべき企業」「強い企業」の分析という自らの能力が及ぶ範囲に集中することができる。

 

・相場の前では人間の知識なんてたかが知れているという謙虚な気持ちは持ち合わせておくべき。

 

株価が下がっても狼狽しないためには

 

・相対的に競争優位性を持っていて、それが損なわれないのであれば、経済環境が悪くなって先に沈むのは競合企業であり、経済環境が正常化した時には、競合企業は退場しているので生き残った投資先企業はさらに強くなっているはず。

 

・長期的に損なわれない競争力の他のもう一つの重要な条件として、中短期的に倒産しないだけの強い自己資本を持っていること、つまり、財務レバレッジが低いことがある。

 

・一番重要なことは、「圧倒的な競争優位性」

 

・参入障壁が全く蝕まれておらず、一時的な経済のショックで株価が全体的に下げているのであれば、買い増しても良いくらいである。

 

・株価の下落には一切狼狽する必要がない。

・大勢の投資家が恐怖におののいて、持ち株を全部ぶん投げているような時は、間違いなく絶好の買い場である。

 

コロナショックは大きなチャンス

 

コロナウイルスは必ず収束するため、人が必要とする財・サービスを提供できる無茶苦茶強い企業を選ぶことができれば、今のような株式市場はバーゲンセールである。

 

保有株式を売却する時の判断基準

 

・第一は、見立てが間違っていることに投資した後で気づいた時。

 第二は、より面白い投資機会が出てきた時。

 第三は、株価がフェアバリュー対比で上がりすぎた時。

 実際の株価がフェアバリューに対して2倍、3倍などと大きく上回った時は、ひとまず売却して利益を確定させる。

 

・どこかの局面で必ず値下がりし、そうなった時、もう一度、参入障壁が蝕まれていないかどうかをチェックして、まだまだ競争力が維持できそうだと判断すれば、買えば良い。

 

・売却せざるを得ないケースとして、他の企業に買収されることが挙げられる。

 

・買収の場合はその時点の株価に対して3割以上高いところで買収価格を設定することが一般的。

 

資産形成で失敗しないために

 

・資産形成をしなければならないのは、将来受け取る予定の年金が減るから。

 

・もし年金受給世代になった時に、生活水準をそれなりに保ちたいと考えていたとしても、公的年金制度だけで賄うことはほとんど不可能だと考えておく。

 

 

個別銘柄に投資していい人、いけない人

 

・資産形成を前提にした株式への長期投資を行うのであれば、少なくとも会計の知識は持っていた方が良い。

 

・株式への長期投資で大事なのは利益であり、その利益を伸ばしていくことができる参入障壁の存在である。

 

・ファンだから投資をするという発想の人は、個別株投資をしない方が良い。

 

株主優待を出すということは、結局のところは、結局のところ会社の価値を切り売りしているだけに過ぎない。

 

・多くの人が会計のことを知らないから、高配当銘柄や株主優待銘柄を有難がって投資する。

株式の個別銘柄に投資したいのであれば、会計に関する最低限の知識は身に着け、できれば、証券アナリスト試験の1次を通る程度の知識を持っていた方が良い。

 

配当についての誤解

 

・本当に競争力が高く成長機会の大きい企業を保有する場合は、高い配当はむしろ株主にとってマイナスとなる。

 

・Warren Buffett のBerkshire Hathaway が無配であることは、発行体・投資家双方にとって合理的である。

 

・判断する上で最も大事なことは、配当の有無そのものではなく、その企業にとっての投資機会の有無と競争力の有無である。

 

インデックスかアクティブか

 

・この30年間、日本株のインデックスファンドに投資し、保有し続けていたとしても、全く収益が得られていない。

 

・本当に素晴らしい会社でなければ、S&P500の500銘柄に入れてもらえない。

 

・よく「インデックスファンドはコストが安いからいい」という話を耳にするが、中身が悪かったらどれだけコストが安かったとしても、そこに投資してはダメである。

 

・S&P500というのは、指数そのものがアクティブ運用であると考えることもでき、世界最大のアクティブファンドマネジャーとも言える。

 

・世間でよく言われるのが「アクティブ運用はインデックス運用に勝てない」ということだが、その理由として、「アクティブファンドはコストが高いから」と言われるが、それは違っていて、そもそも本気で銘柄を選びに行っていないからである。

 

・例えば日本株のアクティブ運用を行うなら、銀行のように何の価値も生み出していないような業種は、最初からポートフォリオに入れない。しかし、それが出来ないのが日本のアクティブ運用である。

 

・米国のS&P500みたいな、エクセレントカンパニーばかりで銘柄構成をしているインデックスであれば、それを選んで良いが、日本株のインデックスファンドを選ぶのは論外で、それならアクティブファンドを選んだ方が幾分かマシ、要は、インデックスなのかアクティブなのか以前の問題として、そのファンドの中身が利益を上げ続ける企業で構成されているのかどうかということ。

 

・ファンドの中身は何で、誰がどのような考え方で選定しているのか、を理解する。

 

・ファンドの手数料を見る。やってはいけないことは、とにかく手数料の安さだけでファンドを選ぶこと。

 

・絶対に避けるべきことは、証券会社のセールスマンに何に投資するべきかを尋ねること。証券会社のセールスマンは株式を売買させるプロであって、運用のプロではない。

 

国際分散投資と為替リスク

 

・何を選ぼうとも、為替リスクは常にあるという諦念を持つことが大事。

 

・特定の国・地域が成長するから株価も上がるというのは、はっきり言って幻想であり、一国の成長とその国に上場している企業が生み出す利益は、必ずしも連動しない。

 

・最初から国際分散投資ありきという考え方は、根本的には間違っている。

 

投資は知の総合格闘技である

 

・「楽をして短期的に儲けようと思うな」

 

・ビジネスの共通言語として会計の知識も、英語同様、もしくはそれ以上に必要であり、米国の企業に投資するとしたら、英語や会計、四則演算や統計学などの知識が必要になる。

 

 

 

 

以上。これらの知識を活かして、投資家としての視点をもって行動してみてはいかがだろうか。

 

 

 

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