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Article Memories vol.7: 週刊東洋経済  1/9号:富裕層マル秘マネー学

Theme: 金融・経済・政治

Time: 約15分

Difficulty: 

 

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ニュースの核心 

米バイデン新政権の対中政策は「人権」が軸に (政治)

 

・1月20日に発足する米バイデン新政権の経済政策で最大の焦点といえるのが対中政策だ。

先端技術をめぐる米中デカップリングは加速している。バイデン氏は習近平国家主席を「100万人のウイグル人を収容所に入れた悪党」と呼び、香港の国家安全維持法を含めた中国の人権抑圧を強く批判。「米国の市民と企業の自由が侵害されればすぐに経済制裁を科す」と、強硬姿勢を示している。また、トランプ政権による対中制裁関税をすぐには撤回せず、まずは第一段階の米中合意を検証し、同盟国と協調して新たな対中戦略を策定する方針だ。

 

・中国が「5中全会」で強調した「科学技術の自立」に対し、新たな戦略が必要と説く。これまで米国は「中国製造2025」に脅威を感じ、EL追加や対米外国投資委員会(CFIUS)の審査強化などで中国封じ込めを図ったが、今や中国は技術自立の道を邁進中と指摘。規制強化だけでなく、自らがイノベーションを強化せねば中国に侵食されると警告する。

 

・ねじれ議会が続いても唯一、中国問題では超党派の協力が可能だとしている。中国はより攻撃的になったとし、同盟国と連携した対中圧力や国際機関における米国復権の必要性を強調している。

つまり、対中脅威論は超党派のコンセンサスであり、バイデン新政権は人権を軸に強硬姿勢を続ける。対中輸出・投資規制は維持され、制裁関税も早期撤回はない。さらに、中国の技術的自立に対抗する国内投資が重要課題となる。

 

・米中両国との関係が深い日本としては、直接対話や国際会議などを通じて、世界経済への悪影響を最小限に食い止める方策を提示していく必要があるだろう。

 

スペシャルリポート 

村上ファンドがやってきた」 物言う株主に怯えるゼネコン (金融)

 

物言う株主(アクティビスト)として知られた村上世彰氏の流れをくむ村上系ファンド。彼らが大手・中堅ゼネコンの株式を次々と買い増していることが明らかになった。

 

建設業界に狙いを定めるアクティビストは村上系ファンドだけではない。英国の年金運用会社シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ奥村組の株式を買い増した。

 

村上氏は著書の中で、投資対象の条件として業績が安定していてキャッシュリッチなのに株価の低迷が続いていることを挙げている。

 

アクティビストの動きを受け、建設業界から2つの反応が出ている。

1つは、各社が株主還元策を次々と打ち出していること。アクティビストの登場が株主還元に意識を向けさせるきっかけになったといえる。

もう1つの反応は、業界再編の動き。「建設業界には統廃合などの再編が必要。談合体質が残っているなど業界全体が古い体質のまま。こんなことになっている業界は見たことがない」という。

これまでは豊富な新築需要に支えられ、儲けを業界全体に分配できたが、今後は人口減少を背景に中長期の成長は期待しにくい。高齢従業者の比率も高く、若手人材も不足がちだ。このままでは多くの課題や環境変化に対応できず、もはや業界再編は避けられない。

村上系ファンドの攻勢があぶり出した、建設業界の構造問題。業界に変革をもたらせるのだろうか。

 

 今後は3つのシナリオが考えられる。

1つ目は、技術者や建築技術を囲い込む目的で、近隣の他業種会社が建設会社を買収する動き

2つ目は、複数の専門業者が集結するグループ化。建設業界のM&A成約件数は年々増加しているという。

3つ目のシナリオは、技術提携を軸にした広域連携

 

村上系ファンドの攻勢があぶり出した、建設業界の構造問題。業界に変革をもたらせるのだろうか。

 

フォーカス政治 

なぜ菅氏はGo Toで判断を誤ったか (政治)

 

・「Go To トラベル」が東京都を筆頭に北海道、大阪府などで新型コロナ感染の急拡大を招来したと、国民が受け止めている。「Go To トラベル」は、菅氏が経済社会活動再開に不可欠と判断したのである。医療機関を引っくるめて「医療ビジネス」と見なす思いがいささかでも胸中にあったのではないか。しょせん、「利」を求める業界であると。

 

「菅流」の政治手法とはいかなるものか。端的にいえば、「トップダウン」である。

菅氏は「国家ビジョン」に欠け、外交・安全保障政策の知見と経験がない。

金融・財政政策、経済産業・エネルギー政策から外交・安全保障政策に至るまで、自ら決めるのが「菅流」だというのだ。一例を挙げると、菅政権の肝である「グリーン戦略」がわかりやすい。国際エネルギー機関(IEA)の「水素レポート」では、エネルギーシステムの脱炭素に水素が果たしうる幅広い可能性に言及した。これを「菅流」で昇華させようとしている。すなわち、再生可能エネルギーとしての水素に関わる戦略立案全般は経済産業省外局の資源エネルギー庁新エネルギーシステム課と、水素の製造・貯蔵・運搬拠点として港湾を担当する国土交通省港湾局産業港湾課を束ねて推進する。まさに「行政の縦割り弊害」打破の象徴にするのだ。

 

一方、先に発表した事業規模73兆6000億円の追加経済対策にも「菅流」が見て取れる。個人的な価値観である「自助」を反映しているのだ。安倍前政権で実施されたさまざまな現金給付策の出口を視野に入れながらも、ひとり親世帯が対象の臨時特別給付金の20年内再給付は例外とし、「自助」と「公助」の視点を盛り込んでいる。
 コロナ次第の様相であるが、問われる真価は今春に明らかになる。

 

グローバル・アイ 

コロナ禍の「丑年」株式相場 ブルとベア、軍配はどちらに? (金融)

 

2020年の株式市場は強気の展開となった。

 

では、21年はどうなるのか。

ブル側を支えるのは20年と同じで、大規模な金融・財政政策を受けて楽観論が強まる筋書き。

その代表が米国。バイデン次期政権によって米国が国際協調路線に復帰すれば、市場にさらなる追い風となる可能性もある。コロナ禍からの経済復興を確実にするためには「何でもやる」という流れが主要国政府の間で強まる展開が考えられるからだ。気候変動対策でも国際協力の進展が期待できる。循環的な景気回復との相乗効果も踏まえるなら、一連のプラス要素が指し示すのはブルの優勢である。新たな混乱が起こらない限り、強気相場は勢いを保つ。

 

ベア側の理屈はどうか。

まず、事実として株価は割安といえる状況にはない。とりわけ米国株がそうだ。確かに株価のバリュエーションが高騰したからといって、それだけで下落トレンドに火がつくわけではないが、間違いなく警戒要因にはなる。現実に下落トレンドが訪れた場合には、山高ければ谷深しで株価はつるべ落としとなるだろう。

 

次の3要素が相まって押し下げ要因となる可能性もある。

第1は、ワクチン接種が始まったことで、テクノロジー株を含む在宅関連銘柄に集中していた資金の流れが分散する可能性

第2に、テクノロジー株の大幅な上昇は終わりに近づきつつあるとの見方。これは巨大テック企業の独占状態に対する各国規制当局の介入度合いに大きく左右される。
第3は、循環的な景気回復が強まった場合に各国が財政・金融政策の引き締めに転じる可能性。例えば想定外のインフレ再来となれば、政策担当者の選択肢は狭まる。とはいえ、先進国のインフレ目標は未達が繰り返されてきたことも忘れてはならない。

軍事紛争の勃発や新たなチャイナ・ショックなど、弱気相場につながるリスクはほかにも多数思いつく。

 

ドル相場については、ドル安の可能性のほうが強いとみている。そうなればコモディティー(商品)に資金が向かうはずで、新興国に有利な展開となろう。

 

全体的に見れば強気派だ。

ただ、21年は投資家にとっても、あるいは誰にとっても、「平凡」の2文字とは懸け離れたものになるだろう。

 

グローバル・アイ INSIDE USA 

同盟国に苦しい決断迫る バイデンの「対中包囲網」 (政治)

 

バイデン次期大統領の就任式が近づく中、同氏の対中政策が1つの注目点になっている。外交上の最重要課題になるとみられるためだ。

 

・トランプ外交を批判してきたバイデン氏だが、中国については似たような強硬路線を唱えているバイデン氏の対中政策の基本は、同盟・友好国と足並みをそろえて中国の問題行動を抑え込むことにある。人権問題も一段と重視されるようになるだろう。

対中外交は一筋縄ではいかない。軍事、貿易、テクノロジーという目に見えやすい問題に加えて、政治的・倫理的価値観に関わる抽象度の高い問題が複雑に絡み合う。さらに気候変動、水産資源保護、疫病、宇宙軍拡競争といった世界共通の課題に対処するには中国の協力が欠かせない。ハイテク分野で導入された厳格な輸出管理、投資規制もあらかた維持されることになろう。

 

トランプ政権との違いは、規制措置で他国と“統一戦線”を組もうとしていることだ。つまり、他国は中国との対決姿勢を鮮明にするという苦しい決断を迫られる可能性がある。バイデン政権は防衛面でも対中抑止力を高めるために多国間協力の強化に動くとみられる。新疆ウイグル自治区や香港の人権問題で中国にどれだけ強い圧力をかけるかも、同盟国間で摩擦の種となるおそれがある。

 

責任は中国にもある。世界の安定と繁栄に向けて、中国は身勝手な外交や経済的・軍事的な恫喝を改める必要があることに気づかなくてはいけない。

 

・バイデン政権の国際協調路線によって焦点は再び中国にシフトする可能性がある。

 米日欧、インドなどの関係国が、内政上の難しい利害関係に整理をつけながら、それぞれの対中戦略に国際的な筋を一本通さなくてはならない。生半可な課題ではない。だが、各国が努力するだけの価値はある。

 

マネー潮流 

レアディザスター・モデルの陥穽(かんせい) (金融)

 

2020年のグローバル市場における最大のトピックは、コロナ危機下における株価の大幅な反発だったといえよう。企業収益が減速する中でもPER(株価収益率)が大幅に切り上がる形で株価が上昇した。

 

単純な株式投資理論に基づけば、株式のリスクプレミアム(リスクに応じた利回り)は株価収益率の逆数である益回りリスクフリーレート(無リスク利回り。国債など)との差として算出される。イールドスプレッドともいわれ、現在、これは4%弱である。かつて、株式のリスクプレミアムは消費者の一般的な経済行動(この中には株式投資も含まれる)におけるリスク選好度との対比で高すぎるという研究があった。エクイティー・プレミアム・パズル」と呼ばれ、当時推計された「あるべき株式のリスクプレミアム」は1〜2%であった。

 

なぜ株式のリスクプレミアムが恒常的に高いのかについて多くの経済学者が仮説を提示しているが、そのうちの1つに、「レアディザスター(まれだが起こりうる大惨事)・モデル」がある。何十年かに一度の大災害や戦争などによって経済や企業収益が大きな打撃を受けるリスクを計算に入れた結果、株式のリスクプレミアムは高めに設定されているというものである。もし「レアディザスター・モデル」の考え方が正しいのであれば、これだけ立て続けに「ブラックスワン(マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起きたときの衝撃が大きい事象)」的な事象が発生すると、株式のリスクプレミアムは上昇してもおかしくない。

 

現在の市場は、わずか十数年の間に「ブラックスワン」のような事象を何度も目にしたことで、「危機慣れ」してきた面もあるのかもしれない。どんな「危機」が起きても、政府や中央銀行がマクロ経済政策で救ってくれるという強力な「経験」を積み重ねてきた結果としての「慣れ」である「危機」が「レア」でなくなってきた結果、リスクプレミアムが低下し始めているのだとすれば、大いなる皮肉である。

 実は政府や中央銀行が埋め合わせできる「危機」は、本当の意味での「危機」ではない可能性がある。もしそうだとすれば、将来、本当の「危機」が起きたときに、市場は織り込んだリスクプレミアムの適否を問われることになる。

 

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Article Memories vol.6: 週刊東洋経済  12/26-1/2合併号:2021大予測

Theme: 金融・経済・政治

Time: 約15分

Difficulty: 

 

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ニュースの核心 

炭素中立にそぐわない輸入バイオマスに規制を (政治)

 

菅義偉首相の所信表明により、日本でも遅ればせながら、「2050年のカーボンニュートラル炭素中立」が国の目標となった。生産や消費による二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を限りなくゼロに近づけるとともに、それでも排出されるものを森林による吸収などで相殺する。

 

再生可能エネルギー固定価格買い取り制度FITFeed-in Tariff)において、バイオマス発電は木材の成育時にCO2を吸収するため、カーボンニュートラルと見なされて推進されている。しかし、その大半を占める輸入バイオマスビジネスの実態に批判が強まっている。環境団体はバイオマス燃料に関し、日本において輸入が急増している事実や、東南アジアや北米において生産過程で希少な動植物が生息する天然林の伐採が急速に進んでいる実態を指摘。トラックや船舶による長距離輸送で大量のCO2を排出することもあり、カーボンニュートラルはまやかしであると批判している。

 

・様相を一変させたのが12年にスタートしたFITだった。輸入材を燃料に発電した電力についても高い買い取り価格を保証したことで、木質ペレットやパーム油などの海外産バイオマス燃料の輸入に道を開いた。FIT法では、環境負荷の低減やわが国の国際競争力の強化・産業の振興、地域の活性化がうたわれている。だが、「輸入バイオマスでは地域の活性化につながらず、エネルギー自給にもならない」と指摘される。FITに基づくバイオマス発電の認定容量のうち約9割を「一般木材」のカテゴリーが占めており、「そのほとんどが輸入バイオマス」とみられている。

 

経済産業省は持続可能性に関する認証の取得を義務づけることで野放図な発電用パーム油の輸入を制限しようとしているが、規制強化に反対する生産国との間で綱引きが続いている。
 輸入バイオマスは石炭火力発電の延命手段になるおそれもある。経産省はCO2排出量の多い旧式の石炭火力発電所の休廃止を打ち出したが、木質ペレットやパームヤシ殻などを混ぜれば計算上は熱効率が上がり、見かけ上CO2排出量を減らすことができるからだ。
 まっとうなカーボンニュートラルを推進するためにも早急に実態を把握し、まやかしの方策に歯止めをかける必要がある。

 

フォーカス政治 

菅首相が狙う本格政権に4つの壁 (政治)

 

菅首相は就任直後、内閣支持率調査で鳩山由紀夫氏、小泉純一郎氏、細川護煕氏に次ぐ歴代4位の高率を記録したのも、安倍内閣末期の低迷状況の反動や、自民党田中角栄氏以来の「たたき上げ首相」に対する好感のほかに、4つの足かせの克服に挑む新首相への期待も理由の1つとみられた。
 その後、2~3カ月で支持率は急落した。とはいえ、「並みの内閣」の水準で、低迷といえるほどではないが、菅流政治の中身がしだいに明らかになってきたのも支持率低下の原因の1つであった。
 独自のミクロ経済政策への挑戦姿勢と同時に、目指す政治の全体像や達成目標、あるいは立国の基本路線やマクロ経済政策などの欠如安全第一の不明確答弁や逃げの説明の多用、他方で「人事権を武器とする強権政治」という官房長官時代以来の菅流手法などへの批判や不満が見え隠れし始めた。
 菅首相の持ち味は「仕事力」と「生命力」といわれる。仕事力は課題発見力、問題解決力、そのための組織操縦力や人脈構築力、生命力の要素は、権力闘争に負けずに生き抜く力、政治の潮流や空気をかぎ取る嗅覚、ぶれない判断、約束を守り、裏切らないという生き方、と政界では評されている。

世襲・無派閥で首相に到達したパワーは筋金入りだが、トップとしての政権運営力は未知数である。今後の浮沈は民意の支持の有無に懸かっている。民意との結託は、改革実行力と同時に、菅流政治のグランドデザインとそのシナリオを明示して共感を獲得できるかどうかが勝負の分かれ目となる。

 

・21年の政治はコロナ情勢五輪問題次期衆院選次期総裁選の4点が軸となるのは間違いない。

 

実際の「政治決戦の年」は、21年ではなく、次期参院選が訪れる22年とみる。野党が次の参院選で20以上、議席を増やせば、与党の過半数割れ、つまり「与野党のねじれ」が起こる。そうなれば、与党だけでは国会での法案の成立が困難になり、政権と与党は一気に弱体化する。すぐに政権交代とはならないが、「政権交代可能な政党政治」が復活する。不安定だが、緊張感を伴う政治状況となるのは疑いない。野党は合流・新党結成に踏み出したものの、中途半端な政党再編に終わり、与党撃破態勢が整っていないのは明白である。22年参院選を「政治決戦」と見据えて、前哨戦の21年衆院選の後、本格再編に挑戦する。そのシナリオを視野に入れ、幅広く民意を吸収しうる政権交代可能な野党勢力の再結集の道を模索すべきだ。

 

・21年に4つの壁の克服に成功すれば、次の総裁任期満了は24年9月だが、その前に21年後半から22年にかけて、言い訳なしの「裸の菅政治」の当否が問われ、それに対する審判が22年参院選で下る。大きな前哨戦の年となる21年が間もなく幕開けとなる。

 

グローバル・アイ 

やみくもな公共投資は長期的に経済の重しとなる (経済)

 

・深刻な不況の後には生産性向上につながるインフラ投資が求められるという点で、マクロ経済学者の見解は大方一致している。ところが先進国のインフラ投資は、増減を繰り返しつつも過去数十年にわたり下降線をたどっている。インフラ投資抑制の流れは、今まさに消えようとしているのかもしれない。米国ではバイデン次期大統領が持続可能でグリーンなインフラ投資を重点公約に掲げている。欧州連合(EU)が取りまとめた総額1.8兆ユーロ(約226兆円)の景気刺激策でもインフラ投資は重要な柱だ。さらに英政府は1000億ポンド(約13.7兆円)の野心的なインフラ投資計画を打ち出し、新たに国家インフラ銀行を設立するとした。
 既存インフラが劣化している国は多く、歴史的な低金利で資金調達できる環境にあることを考えれば、こうした公共投資計画には期待が持てる。08年の金融危機後にも、マクロ経済学者の間では同様のインフラ投資が急務だとする意見が大勢を占めた。ただ、当時の経験が示すように、インフラに投資すれば長期的な経済成長率を大きく高められるとは限らない。

 

財政の専門家の間では、インフラ投資においては既存設備の維持・改修が最も投資効果は高いとの見立てが主流になっている。先進国のインフラ投資で最大の障壁となるのは、多分に各種利害の調整だ。新たな公共投資計画を進めるには通常、厄介な地役権問題に加えて、環境に悪影響を与える懸念や、計画に反対する住民の抵抗を乗り越える必要がある。

 

超低金利環境ならどんなインフラ投資でもうまくいくわけではない。詰めの甘いインフラ計画を実行に移せば、環境を壊したり、維持管理費がべらぼうにかさんだりするなど、長期的なデメリットも出てくる。

 現下の低金利がインフラ投資を拡大する好機なのは間違いない。ただ、現実的な費用見積もりを行ったうえで適切な計画を選び出すには、極めて優れた専門家組織が欠かせない。その意味で、英国が国家インフラ銀行を設立するのは理にかなっている。このようなプロの目利きがいなければ、にわかに盛り上がる公共投資熱も期待外れに終わるだろう。

 

グローバル・アイ マネー潮流 

クレジット市場の安定に一抹の不安 (金融)

 

クレジット市場はこれまで実に堅調に推移してきた。国債などに対する上乗せスプレッドが抑制される状況にあり、安定してきたということである。

 

第1に、金融政策と財政政策が盤石に配備されてきたこと。両政策に支えられて、金融資産市場が安定してきたわけだが、とりわけ、社債購入プログラムによるセーフティーネット社債市場そのものを下支えしてきたこと、がある。
 第2に、発行体から見て金利先高感がない状況の中、債券発行ニーズが抑制されていること。金融緩和で資金が供給されている割には発行量が限定的となっているため、社債市場では需給が改善している。
 第3に、ファンダメンタルズの悪化に歯止めがかかっていること。世界中で施行された財政政策によりデフォルト率の上昇は抑制され、また、各社がレバレッジを抑制する行動に出た結果、ファンダメンタルズは想定対比で悪くならなかったと考えられる。
 しかし、表面上はセーフティーネットが存続しているとの解釈が続く一方で、社債市場へのセーフティーネットが徐々に弱まっていることに注目している。

 

米国では、新型コロナウイルス対策として発動したファシリティーのうち社債の購入を含む4本(ほかに中小企業向け融資、資産担保証券への資金供給、州・地方債の購入)の打ち切りが決定された。バイデン政権へのトラップの1つにも見えるが、枠組みを十分に活用してきたわけでもないので、残った資金を賃金プログラムに充てたほうがよいとする意見自体は真っ当にも思える。しかし、クレジット市場に必要なのは“最後の買い手”の存在である。それがなくなれば、潰れるべき企業は潰れていくという状況になるわけであり、それが認識されればクレジットスプレッドは徐々にワイド化してもおかしくない。

 

ECB:European Central Bank欧州中央銀行)は金融緩和策の長期化を発表。PEPP:Pandemic Emergency Purchase Programmeパンデミック緊急購入プログラム)とTLTRO:

Targeted Longer-Term Refinancing Operations長期資金供給オペ)の実施を拡大かつ延長した。ただし、社債購入プログラムがどうなるかについては触れられていない。つまり、欧米ともに社債購入意思は、従前に比較して脆弱に見えることになった。

 デフォルトリスクの増大を受け止めるだけののりしろが今の金融市場にあるかどうか。極めて心もとない。

 

 

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Article Memories vol.5: 経済紙 まとめ

Theme: 経済

Time: 約10分

Difficulty: 

 

 

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https://money-lifehack.com/working/3350

 

・新聞のような速報性よりも、それを深く掘り下げていくような内容。

各号(毎週)ごとにテーマを設けてそれを特集として掘り下げていくスタイル。

 

・情報を知る上で新聞は最適なメディア。その一方で情報を深く掘り下げることはあまりしない。その一方で週刊のビジネス誌は時事性の高い情報を、「掘り下げて」特集するのが特長。

毎号、その時々のテーマや話題を1つ~2つ深く掘り下げて特集してるので、新聞を読むだけでは得られない情報の裏側や深層を理解のに役立つ。

 

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いずれのビジネス誌も書店で購入では割引を受けることはできないが、定期購読の場合は自宅までの送料無料で、かつ通常の定価よりも割引価格で購入することができる。

 

 

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Article Memories vol.4: 【リベラリズム】国際関係論におけるリベラリズムの特徴や批判などわかりやすく解説 

Theme: 政治

Time: 約5分

Difficulty:

 

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 国家の要素としてはよく、領域・人民・権力の3要素が挙げられるが、国際法人格としての国家は、「永久的住民」、「明確な領域」、「政府」、「他国と関係を取り結ぶ能力」の4つの要件を要するものであると説明されることもある。

「永久的住民」は、一つの社会を構成する、その国の国籍を取得した個人から成る集合体であり、通常、国籍によって国家と結び付けられる。「明確な領域」は、住民が定住する空間であり、国家のもっとも本質的な要素である。「政府」は、国内法を自主的に制定し、国家管轄権を備えた統治組織が確立されていることであり、 領土と住民を実効的に支配する必要がある。「他国との関係を取り結ぶ能力(外交能力)」は、対外政策について、外国の支配に従属することなく自主的に外交関係を処理できる能力であり、対外主権があり、対外的に独立であることを意味する。

現代の国家間関係が複雑化しているグローバル社会においては、「国家」を単体で考えることは難しい。そのため、対内的な意義のみでなく、国家間での相互依存関係を含意したものが現代の「国家」としての意義に合致すると考えられ、「永久的住民」、「明確な領域」、「政府」、「他国と関係を取り結ぶ能力」の4つの要件はその意義にうまく合致していると考える。

 

 国際政治において、国家は行為主体である「主権国家」として存在している。

リアリズム」においては、国家の目的とは国益の維持・拡大であり、国益は国家の生存・繁栄に必要なものであるとされる。その国益追求の手段として、軍事力・経済力・ソフトパワーといった「パワー」が存在し、パワーの拡大が図ることが国家の目的であると考えられる。

ネオ・リアリズム」においては、国家間には相互関係が存在し、国家行動の誘因を安全保障の追求に求める防御的リアリズムと、パワーの追求に求める攻撃的リアリズムとに区別して国家の役割が説明される。相互依存関係の中で国際システムの安定はパワーの分布状況によるとされ、単極安定論や二極安定論、多極安定論などで説明される。

リベラリズム」においては、国際法や国際機関といった多国間の協調体制が重視されることで、パワー追求以外での問題解決可能性を見出すことが国家の役割であると考えられている。

  いずれの理論においても、国際政治において国家は主権の平等・相互不干渉が保証される主権国家として認識されていることから、自国の国益追求を図る役割を持つことに変わりはないだろう。しかし、国家間の相互依存関係が顕著になるに伴い、リベラリズムによって、国益のみならず国際機関の協同による平和の維持の役割が国家にはあると説明されるようになった。国際法の分野において、産業革命以降の産業経済の発展、交通・通信手段の発達により国際貿易等の国際交流が飛躍的に増大し、交流を円滑に進めるため、国際条約の量が増大した、共通の目的を実現するため国際郵便連合といった多数の国による国際機構が設立した、紛争処理手段としての国際仲裁裁判の発達により判例が蓄積した、という構図を捉えられるように、相互依存関係が深まるにつれ、現代の国家には平和の維持という役割も持つようになったと考えることができる。

 

 

 

Book Memories vol.13: 労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱

Theme: 政治

Time: 約30分

Difficulty: 

 

 

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 英国のEU離脱(Brexit)は、最近の国際政治における重要なテーマの一つとなっている。皆さんも一度はニュースで見たり聞いたりしたことがあるだろう。

 

 vol.12の記事

Book Memories vol.12: ポストBrexit・コロナ時代の新・EU論 -大学生のための2020年度テキスト - BobY2

で述べたように、

 

EU加盟は既得権者の利益になっているとみなされ、格差拡大などで不満を持つ人々がBrexitに票を投じた。

② 東欧などからの移民が増え、工場や農場で地元の人々の職を奪っているとの不満がイングランドで高まった。反移民感情がBrexitに向かった。

③ 英国の政策をEUに縛られることなく自分で決めたいというナショナリズムが強まった。

④ 離脱派のキャンペーンが偽情報の流布も含め巧みだった

 

といった理由が背景となって引き起こされた政策であると言われている。

Brexitには様々な理由が存在していると理解できるだろうが、昨今特に問題として挙がっているのは、労働者階級の移民に対する排外主義を大きな理由として離脱へと導かれたと思われている点である。離脱派の国民投票で離脱派が勝利した瞬間、彼ら英国人労働者階級の人々は、世界中から「不寛容な排外主義者」認定されてしまったのだ。

しかし、世間一般で言われていることと、地べたから見た真実は異なるものである。労働者階級の生の声を聞くとともに、社会的な枠組みの中で大枠的に捉えることで、新たな真実が見えてくる。

 

 白人労働者階級は生まれながらに恵まれた立場にいると考えられ、特に白人男性は、「どんな点でも有利な位置を獲得している」と思われてきた。だが、白人労働者階級の多くの人々はいま、疎外感や、力を奪われているような感覚、白人労働者階級が本来受けるべき政策を受けられていないという感覚を抱いている。 アイデンティティ・ポリティクスの重視によって、マイノリティと呼ばれるグループには機会やアクセスの平等が約束されているのに、自分たちにはそれが与えられていないと感じているのだ。労働者階級は偏見のせいで、雇用や福祉、公共サービスの現場で、自分たちが平等な扱いを受けられなくなっていると信じている。

 

 アイデンティティ・ポリティクスの副作用として、白人が堂々とマイノリティであることを主張できなくなるという新たな問題も生じている。貧しい労働者階級の白人男性は、従来のアイデンティティ・ポリティクスでは、全方位でマジョリティになってしまうので、人種、ジェンダーLGBTなどのアイデンティティの枠組みが強調されてきた政治トレンドの中では、「自分たちの声は政治家に聞かれていない」という意識が育っている。白人労働者階級には、ともによって立てるカルチャーのリソ-スがなく、結果として「同じアイデンティティの集団」ではなく、「個人」のモラルを重視することになる。こうして白人労働者階級のコミュニティは、自ら社会から孤立し、自分たちの不利な立場について、「自己責任だ」とみなされることを受け入れてしまう。

  「マイノリティなのか、そうでないのか」という問題自体が激しい論争の的になり、マイノリティとしての存在認定が下りていないという点自体が、白人労働者階級がそれ以外のクラスタとは異なる「新たな」タイプのマイノリティであることを示しているだろう。

 

 強固な階級意識が根付いており、それは世襲のものであるという意識も強い英国では、自分たちが社会のヒエラルキーにおいて「本来あるべき位置」を他者に奪われたという感覚は、非常に濃厚な喪失感に結び付く。また、自分たちが本来存在すべき位置を移民に奪われていると思う場合には、英国人は移民にはなれないので、その位置はもう取り戻せないものだと思い込むことになる。

そして、 「経済的な喪失感」を覚える人々は過激な極右政党を支持する可能性が高いことから、UKIPやBNPといった極右政党の台頭が促進され、離脱へと向かっていったと言える。

 

 また、労働者階級の問題に関しては、歴史の面からもアプローチが可能である。

戦時中は「ピープル」と呼ばれ、戦時中ほど労働者階級の人々が必要とされた時代はなかった。しかし戦後、 Thatcherの緊縮財政、ネオリベラリズムにより社会の邪魔者扱いとされるようなったという歴史が存在する。

  「白人」であれば人種的にはマイノリティではないので、「差別」や「平等」を考えるときにスルーしても構わないと見なされ、社会のスケープゴートにしても批判されないという支配階級にとっての利点があった。90年代以降、歴代政権は、階級の問題を人種の問題にすり替えて、人々の目を格差の固定と拡大の問題からそらすことに成功してきたのだ。このような戦略が、2016年のBrexitをめぐる国民投票の皮肉な結果に結び付いたと説明できる。

 

 それまで気にならなかった他者を人々が急に排除し始めるときには、そういう気分にさせてしまう環境があるのであり、右傾化とポピュリズムの台頭を嘆き、労働者たちを愚民と批判するだけでなく、その現象の要因となっている環境を改善しないことには、それを止めることはできない。 すべての人々を結びつけ、立ち上がらせることができるのは、人種問題ではなく、経済問題であるため、労働者階級を民族問題から解放せねばならず、「白人」という枕詞をつけさせ続けてはいけない。

 

 

 今回そのようなことを学んだのは、

 

労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱

 

ブレイディみかこ著 光文社新書

 

という本。

 

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link below ↓

 

 自分なりに大事だと思ったところをまとめたので、興味のある方は読んでいただければ、と思う。

 

 特に本を読んだ上で自分なりの解釈だったり派生させたことを書いたりしているわけではないが、一種の教科書的な感じで大事な点をさくっとまとめ、自分の知識の幅を広げていくためのアウトプットのツールとして使うことにしている。また記事の最初にVocabs欄を設け、キーワードや専門用語などを載せているので知識を効率的に広げていただきたい。読者の方々にはもし知らないことがあれば身につけていただきたいし、ただ要約しているだけなので、よくわからない点があれば自ら 購入して読んでいただくなりと、自由に使っていただければと思う。

 

 

 

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Article Memories vol.3: 共産主義とは? 社会主義・資本主義との違いを子どもにも分かりやすく説明

Theme: 政治

Time: 約5分

Difficulty: 

 

 

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共産主義: 資本や財産をみんなで共有する平等な社会体制。

土地や財産などはすべて国のものとなり、みんなで共有する。

生産されたものもみんなのものとなり、均等に分配するという考え。

マルクス主義思想では、資本主義は資本を持っている人が富を独占して、人々の間に貧富の差が生まれると考えた。資本家ばかりがお金を増やし、それ以外の労働者は一向に豊かにならず、資本主義社会の限界を見通した。

また、新しいものの開発は、過去の知識や多くの人の知恵が積み重なって生まれたもので、資本家だけが独占できるものではないと考える。

 

社会主義: 資本は国のもので、国がそれらを管理して平等にする体制。

個人が資本を所有することは認められない。

そもそも社会主義の考えが生まれたのは、資本主義による弊害が明らかとなってきたことがきっかけ。資本主義では、企業や個人が自由に経済活動を行い、それぞれの利益を追求する。すると資本を持つ人とそうでない人との間に貧富の差が生まれ、資本主義経済の問題点が明らかとなってきた。

そして1917年のロシア革命を経て、旧ソ連が確立したのが社会主義経済の体制。社会主義では、資本主義の考えを否定し、それに相反する体制として生まれた。

しかし社会主義では、労働者がいくら頑張って働いても給料は上がらないし、効率的に仕事をしようという努力も必要ない。そのため人々の働く意欲が失せ生産性が低下し、経済が停滞するようになった。さらに旧ソ連の一部の共産党幹部が富を独占する事態も生じ、ついに1991年に崩壊。その後のロシアでは、資本主義経済が導入され資本主義化が進められた。

 

社会主義共産主義の違い

共産主義は、社会主義の理想的な思想であり、社会主義の進化版ともいえる。

 

社会主義では、企業が得た利益を国が管理し、国民の給料も国が管理して分配する。

共産主義では、そもそもすべての利益をみんなで共有するという考えがあり、国が管理する制度自体もいらないこととなる。

このように、社会主義が生まれた後にそれを実現する方法として共産主義が体系化されると、共産主義社会主義には明確な違いが出てきた。しかし旧ソ連が崩壊すると、共産主義社会主義の違いは曖昧となり、現代ではほぼ同じような意味として捉えられている部分もある。

 

社会主義と資本主義のメリット・デメリット

社会主義では平等な社会になるというメリットはあるが、社会主義国家が崩壊したように、なまける人が増えて経済がなかなか発展しにくいというデメリットがある。

資本主義は経済が発展しやすいメリットはあるが、お金持ちはさらに富を増やし、そうでない貧しい人も生まれ格差が広がるというデメリットがある。

 

現在は日本を含め多くの国が資本主義体制をとっているが、貧富の差が広がりやすいという問題点が指摘されている。

 

Article Memories vol.2: 香港民主派、一斉逮捕で窮地 当局「外国勢力と結託も」

Theme: 政治

Time: 約5分

Difficulty: 

 

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創業者が逮捕された蘋果日報を買い求める人が相次いだ(11日、香港)=ロイター

 

 

 香港警察が国安法違反として、蘋果日報の創業者の黎智英氏と2人の息子、同紙を発行する壱伝媒幹部4人、周庭氏ら活動家3人の計10人を逮捕した。国安法の施行後も外国に制裁を働きかけ、外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いがもたれている。また、壱伝媒の幹部が周氏らを財政的に支援していた可能性があると報じられている。

 

 「香港基本法」と「一国二制度」により香港では、集会の自由や表現の自由、独立した司法、一部の民主的権利などが保護されていた。しかし香港の英国からの中国返還後、「本土派」の台頭により、「雨傘運動」を始めとした急速な「中国化」への反発の動きが強まった。そこで、中国共産党政権が国家権力に対する反政府的な運動を取り締まり、対応できるような法的枠組みを確立するため、2020年6月に国安法が制定されていた。

 

 今回の一件からは、中国共産党政権は国安法を使って民主派と外国勢力との関係を断ち切る狙いがあるとみられる。活動家に対する尾行や監視は日常的に行われており、香港警察が取り締まりの手を緩めるとは考えにくく、表現や報道の自由抑圧に国安法が使われている懸念が徐々に強まっている。一連の騒動の影響から、大手金融機関が拠点を置き、アジアでも有数の金融センターと言われている香港から金融機関が他国へ拠点を移す動きが出るという見方もあり、日本政府が海外の金融機関や人材の受け入れに向けた環境整備を検討していることからも、経済面においても香港の先行きに懸念が出ていると言える。

 

 諸外国は「香港の人々の既存の権利と自由は完全に守られなければならない」としてあくまで「一国二制度」の原則を守るよう求めており、今後は香港の人々の表現の自由を侵害せず、国安法をどの程度まで適用していくのかがカギとなる。